皆さんからしばしば頂くご批判の中に「民主党は、なんでも反対ばかりしてけしからん」というものがあります。テレビなどでは、民主党が反対している場面が報道されることが多く見られますし、コメンテーターや評論家の方とか、与党の政治家の方も、民主党が反対していることをことさらに強調する傾向があるのは事実です。
しかし、現実はまったく違います。民主党が政府の出してきた議案に反対することは、実は少ないのです。たとえば、今年の4月以降に衆議院を通過した30件あまりの議案中、民主党が反対に回ったのはたった1件、米軍に対する思いやり予算を含んだ協定案だけでした。「ねじれ国会」といっても、協調的に進んでいるのです。
以上のようなことを説明すると、大部分の方は、「へぇー、そうだったんだ」と意外そうな顔をしつつ、納得されます。ただ、ごく一部の方は、「でも、テレビでは民主党は反対ばっかりしてると言っていたよ」とおっしゃります。いろいろな意味で悲しい気持ちにさせられますが、こういう方はなかなか度し難いものがあります。
もう少し上級の反論としては「たしかに、民主党が反対ばかりしているわけではないのは知っている。でも郵政民営化とか、ガソリン税とか、日銀総裁人事とか肝心な問題でいつも反対しているではないか」というものがあります。もちろんこれも正しい理解ではありません。そもそも、なぜ世の中に誤解が蔓延するのでしょうか。
民主党がいつも反対ばかりしているように映ってしまう理由は簡単です。民主党が反対すれば,「民主党が反対して、国会でもめています」というニュースになり、賛成した場合には、単に、「○×法案が国会で成立しました」と報道されるからです。決して、「たいへんです。民主党が賛成しました」なんて報道にはなりません。
このようにしてみてくると、肝心な場面で民主党が反対しているように見える理由もおわかりでしょう。与野党の意見が対立しているその点がまさに政治の世界での最重要課題と呼ばれるのです。ですから肝心のその点について民主党が政府与党に反対しているのは、論理的に必然なのです。原因と結果を取り違えてはいけません。
もちろん、マスコミの方が民主党が反対する場面を中心に報道するのは当然のことですし、それを見た方々が誤解に陥るのはしかたのない面もあります。ただ、国会に出席し事情を知っている与党政治家までもが、「民主党は反対ばかりしている」という真っ赤なウソをテレビなどで垂れ流すのは、見るに忍びないものがあります。
納得できないことに対しきちんと反対の意思表示をするのは、たしかに国会議員としてとても大切なことだと思います(野党が政府に対してノーと言わなくなったら民主主義はおしまいです)。ただ、話題になる1つのノーの陰には報道されない無数のイエスがあることを知って頂きたいと思い、今回のメルマガを書いた次第です。