都道府県の知事選挙や市区町村長選挙の報道を見ていると、時々、
自民党と民主党の両党が推薦している候補者が登場することがあり
ます。
国政では喧嘩しているはずなのになぜ地方自治体の首長選挙にな
ると手を組むのか、なかなか理解しにくいかもしれません。
地方自治体の首長選挙において、対立している複数の政党が、同
一候補に対して、推薦・支持をすることを、俗に「相乗り」といい
ます。相乗りが起きる原因は、地方自治体の首長の選ばれ方にあり
ます。
国の場合、首相は国会で選ばれますから首相の打ち出す政策も大
抵は国会に支持されます。これに対して、地方自治体の首長は住民
が直接に選挙で選びます。そうすると、場合によっては、首長と議
会の意見が激しく対立することがありえます。これは首長にとって
見れば深刻な事態で、いざ自分の政策を実現するための条例を提出
してみたら、議会で次々と否決されるおそれもあるのです。
このようなわけで、首長の選挙を行うにあたっては、なるべく、
議会の多数派の支持を得られるような候補者を選ぶことが望ましい
と考えられてきました。そして、その究極の形が、首長選挙におけ
る大政党の相乗りです。自民党と民主党の両党が応援した人が首長
になれば、議会もその政策に乗りやすいので、当選してからも楽で
すし、議員の側から見ても、自分たちがいわば「与党」の側にいら
れるという利点があります。
さて、このような長所があると考えられてきた政党相乗りですが、
住民側からすればたまったものではありません。密室で候補者が一
本化され、選挙本番では「鉄板候補」対「泡沫候補」という図式に
なり、自らの声を投票行動に反映させる方法がありません。本来、
首長選挙は、当選者一人の小選挙区ですから、民意が鋭く反映され
るはずですが、議会構成に引きずられて候補者が決まるのでは、何
のための選挙かわかったものではありません。
そこで、わが民主党も、小沢さんが代表に就任してから、首長
(知事や政令市長)選挙において相乗りを原則禁止するというルー
ルを作りました。これによって、地方自治の世界においても、自民・
民主の対立構造を明確にして、わかりやすい選挙を行うことができ
るようになります。
先日の、滋賀県知事選では、自・公・民の相乗り候補を出し敗北
しましたが、これは、相乗り禁止ルールができるまえに当該候補者
を推薦することが決まっていたからです(既に決まったことにつき
遡って新ルールを適用しないのは、法適用のイロハであり、当然の
ことです)。むしろ、今回の一件で小沢民主党の新方針が正しいこ
とが証明されたといえるわけで、相乗り原則禁止の方針はゆるぎな
いものとなるでしょう。
来年の春には、統一地方選があり、全国各地で、市区町村長選、
都道府県知事選が行なわれることになります。相乗り禁止の方針を
徹底して、魅力ある候補者を擁立し、より緊張感のある地方選挙に
していければと思っています。
志のある方には、是非手をあげて頂きたいと思います。