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2008/02/22 15:38

冤罪

 本来、私は、政治家の発言について重箱の隅をつつくようなことをするのは好きではありません。しかし、今回は書きます。


 鳩山法務大臣は、全国の高検・地検のトップを集め、そこで「志布志事件」の無罪判決に言及して、「冤罪と呼ぶべきでないと思う」と訓示しました。さらに後日、自民党の会合で、自らの発言につき「検察が日ごろ言っていることをしゃべっただけだ」と、「釈明」したのです。

 志布志事件とは、2003年の鹿児島県議選で、ある候補者の陣営が、住民11名に焼酎や現金191万円を配ったとして、候補者やその家族、現金を受け取ったとされた住民らが公職選挙法違反容疑で逮捕された事件です。そこでは警察が、ウソの自白を強要し、虚偽の事実をデッチ上げ、「踏み字」と呼ばれる違法な取り調べを行い、ぬれぎぬを着せられた人々を数ヶ月から1年以上も勾留しました。十分な証拠に基づかずに捜査がなされ、存在しない事件が捏造され、無関係の人が犯人扱いされた、典型的な冤罪事件といえるでしょう。


 ところが、鳩山法務大臣は、独自の見解に立ち、裁判で有罪が確定したのちに無実であることが発覚した場合のみを「冤罪」と呼ぶべきであると考えるようです。現代の裁判のタテマエでは、有罪判決を受けるまでは無罪の推定が働くので、最終的に裁判で有罪にならなかった場合には、それまでにどんな捜査をしていても冤罪ではないと勘違いしているのかもしれません。

 しかし実際のところは、逮捕に至れば、人権を制限された状態で取調べを受け、起訴されれば起訴されたで、拘禁状態が続く場合が多いのです。結果的に無罪判決が出たとしても、ぬれぎぬを着せられた方々の人生が滅茶苦茶になることに変わりありません。そして、今回の鳩山大臣発言は、「冤罪ではなかった」だから「検察は積極的に活動しろ」という文脈で語られているのです。単なる言葉の定義の問題で片付けられないものがあります。


 今回の発言を受け、次の二つのことがなされなければなりません。第一に、検察官の集まりをもう一度開き、前回の会同に参加した検察官全てに、発言が誤りであったこと、そして訓示内容を撤回した旨を伝えることです。大臣の暴言は、検察のトップに対する訓示の中で飛び出したのですから、「志布志事件は冤罪と呼ぶような深刻な問題ではないのだから、もっと積極的に捜査活動をしろ」という誤った命令を発したようなものです。正式な形でこれを撤回させることが最低限必要です。

 第二は、検察において志布志事件の教訓が活かされているのかどうか、事実関係を徹底的に調査することです。本当に「志布志事件は冤罪でない」と検察が常日ごろ言っているのであれば、それ自体大変な問題です。直ちに、誤った認識・体質を改めてもらわなければなりません。また、不見識な発言を耳にして法務大臣が、直ちにそれをたしなめるのではなく、かえって無責任に訓示として垂れ流したのであるとすれば、それは辞任に値することだと思います。


 「無実の人を逮捕拘留しても良心の呵責すらない」、そんな検察官が鳩山法務大臣の下で増殖することのないよう、国会で徹底的に追及していきたいと思います。

2008/02/08 19:35

道直し(メールマガジンより転載)

 「栄村」という村をご存知ですか。長野県の最北端にある(野沢温泉村の隣に位置し、新潟県と境を接しています)人口約2,500人の小さな村で、私の地元の武蔵村山市の姉妹都市でもあります。


 この栄村、日本有数の豪雪地帯にありますから、冬の間の重要課題は、除雪をはじめとする雪対策です。介護、プロパンガス・灯油の供給、汲み取りなどのため、自動車が通れる状態を確保しなければ、村民の生活に支障をきたすのです。除雪作業には除雪車が必要ですが、集落の中には道路の幅員が足りず除雪車を入れられないところもありました。そこで、道路を拡げる「道直し」が必要になりました。

 しかし、道路財源を使い国の補助事業として整備しようとすると、全国一律の規格が押し付けられます(幅員6~7メートル以上とか、カーブをきつくしてはいけないとか)。幅員を確保するためには沿道の土地をたくさん買収しなければなりませんが、そんな予算はどこにもありません。そこで、除雪車が通れる必要最小限の道路を通すという方針を立て、安くあげるさまざまな工夫をして(幅員を4メートル以下で我慢する、あるいは、用地買収が難しいところでは多少ジグザグの道でも可とするなど)、村独自で道直しをすることにしたのです。

 その効果は絶大で、通常1メートル10数万円かかる道路が、2~3万円、通常の5分の1程度の費用でできました。もちろん、除雪車が通っても全く問題のないしっかりとした道です。こうして、安い費用で住民ニーズを反映した道路整備が可能になりました。本当に必要な道路を地域の力だけで作った極めてまれなケースといえます。


 ひるがえって、他の地域の状況を見るとどうでしょう。高速道路なみの幅員のガラガラに空いた道路がありながら、それと並行する高速道路の建設を計画してみたり、森林を切り開き生態系を破壊するような道路を通してみたり、卓球のラケットやマッサージチェアの購入にガソリン税が浪費されてみたりといったことが続いています。本当に必要な道路が整備されないというのが実情であり、栄村のような成功例は殆どないのです。

 諸悪の根源は、道路特定財源の硬直性にあります。用途が道路の建設に限定され、補助金として使おうとすると地域ニーズに合った形で行うことが難しいのです。政府与党は、「ガソリン税を値下げをすると、財源がなくなって、都市部の本当に必要な道路の整備ができなくなる」と脅しをかけています。でも、今まで通りの特定財源・暫定税率を維持したところで、本当に必要な道路の整備、電柱地中化、開かずの踏み切り対策が後回しにされている現状は変わりません。

 今やらなければいけないのは、道路財源を一般財源化した上で、使いみちを限定しない交付税として地方自治体に渡すことです。そうすれば、各自治体が地元のニーズを正確に把握した上で、福祉や教育など他の重要課題と天秤にかけ、本当に必要な道路だけを作れるようになります。そして、仮に、道路をつくることに決まった場合でも、地域の実情に合ったものをつくることが可能になるのです。


 先日、民主党の有志で栄村長を国会にお招きして勉強会を開きました。80歳近いご高齢ながら、「道直し」について熱心に語る高橋彦芳村長を見ながら、ガソリン税の一般財源化・地方自主財源化の正しさを確信しました。

2008/02/07 15:54

ビデオメッセージを更新しました

今回のテーマは、道路特定財源です。

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