消費税引き上げ
●消費税引き上げが
国を挙げての大論争の末消費税が導入されたのは今から20年前のこと、当時の税率は3パーセントでした。その後、消費税は、5パーセントに値上げされました(不況長期化の犯人として非難の的になりましたが…)。そして今、まるで「小さく生んで大きく育てる」のたとえのように、消費税が引き上げられようとしています。
●わかりにくい法案
先月末、政府与党が、消費税を引き上げる方針を固めて、法案を提出してきました(現在衆議院で審議中)。といっても、この法案、ちょっと見ただけでは増税を決めたものとは気づかないようなつくりになっています。増税条項が法案附則にひっそり盛り込まれ、税率がどうなるか、いつ増税するかには触れられていないのです。
●二段階方式
では何が書かれているかというと、平成23年度までに消費税見直しに必要な法整備をするという内容です。要するにこれは「将来消費税を引き上げるための法案を作ります」という趣旨のまわりくどい法案なわけです。もちろんこの法案が通ってしまえば、それを提出した与党は再来年度には本当に増税せざるを得なくなります。
●増税の理由
今回の増税の理由ですが、タテマエ上では、年金・医療・介護の社会保障給付のためとなっているようです。しかし、なぜ数ある選択肢の中で消費税を上げるという方法を選んだのか、その理由は詳らかではありません。ただ、安定財源獲得に必死な財務省と自民党を支援する財界の強い意向が、その背景にあることはたしかです。
●なぜ、こんな時期に?
しかし、そもそも「世界が経済危機に苦しむこの時期に、なぜ増税を急ぐか」という素朴な疑問があります。日本でも輸出や設備投資の急速な減少が起きており、経済数字で明るい兆候を示すものなど何一つありません。他の重要案件を差し置いて、景気にマイナス効果の大きい増税を優先する理由が、私には、全くわかりません。
●増税の前提条件
たしかに、これから先わが国はますます高齢化が進み、医療や年金などで多くの財源が必要になってきます。しかし、たとえ税収を増やしても、肝心の政府の側にまともなサービスを供給する体制がなければ無意味です。かりに増税するというのであれば、現時点でムダのない効率的な福祉が提供されていることが、前提でしょう。
●増税先行はムシが良すぎる
ここで現実に目を向ければ、消えた年金問題は未だ解決の糸口すら見えず、高齢者医療はお粗末の一言です。政府はムダを放置したまま国民のフトコロをあてにするだけで、今の予算すら全く有効に使えていないのです。このような状態のまま、さらに消費税を引き上げ国民負担だけを増やすのは、どう考えてもスジが通りません。
●サービス改善が先決
安易に増税に応じれば、政府はムダ使いをなくしたり行政サービスを向上させる努力をしなくなるでしょう。消費税引き上げの議論は、政府がまともな行政サービスを提供できるようになってからでも充分間にあいます。「こんな良いサービスが受けられるならもっと税金を払おうよ」そう思える国を我々は目指したいと思います。